8月15日(土)、ドブロブニク。
午後はラパッド地区のスーパーや旧市街でお土産を買って過ごす。
ちょっと早めの時間に夕食を食べることにする。
ドブロブニク最後の夜、ぜひ美味いものを食べて帰りたい。
コプン。(Kopun)
そう、昨夜と全く同じ店である。(→
昨夜の様子)
魚介は少々高いが、ここなら間違いなく美味しいものが食べられる。
外のテラス席は予約で満席のため、今回も中に通される。
すいません、外のケース見せてもらっていいですか?
氷が敷き詰められたケースの中には、
様々な色や形の鮮魚が並んでいる。
どの魚も見るからにピチピチしてて旨そうだ。
ケースの魚を指さして注文する。
今回この店で、どうしてもやってみたかった。
どれにしようかな…ワクワクしながらケースの魚一つ一つを見て回る。
よし、決まった。
これ。
イカツい顔立ちと渋い色合いの魚。こんな魚は今まで見たことがない。
店のお兄さんのイチオシだったこともあり、この魚をトライしてみることに。
オジュイスコ。
キンと冷えた生ビール。ドブロブニク最後の夜に、乾杯!
ダルマチアのソーセージ・ハム・チーズ盛り合わせ。
昨日は魚介系の前菜だったので、今日は肉系。
まずはこいつをアテに生ビールを飲み、メインの魚が来るまでの間に
白ワインにスイッチする…俺の中で今夜の段取りはそう決まっている。
「…!!」
チョリソー。
うまい! パプリカの香りが食欲を増進させ、ビールのギアが一段上がる。
ダルマチアハム。
熟成した豚肉の濃厚な旨味と脂肪のコク、さらにビールのギアアップ。
3種類のチーズも申し分なし、そしてプリプリの上等なオリーブがまた美味。
カボチャのスープ。
これは嫁のオーダー。旨そう! カレー風味がついてるらしい。
クロアチアのビールNo.1。
ジョッキの底にはこんな誇らしげな刻印が施されている。ビールおかわり!
前菜の残り具合を計算し、2杯目の生ビールは
小グラスにする。
大だとビールを飲み干す前に前菜が全部なくなってしまいそうだが、
小なら前菜をちょっと残した状態で白ワインへスイッチできるだろう。
この緻密な計算通り、ちょうどいいタイミングで
生ビールを飲み干し、満を持して白ワインをオーダーする。
白ワイン。
昨日と同じハウスワイン。昨日は500mlのデキャンタを頼んだが、
今日はビール小1杯分多く飲んだため、グラス単位で刻むことにする。
前菜類は期待通り白ワインにもよく合う。
小麦のリゾット。嫁のメイン料理。
―そして。
来た!
シンプルにグリルされた魚。
ところでこの魚、なんて名前なの? 店のお兄さんに率直な疑問をぶつけてみる。
サン・ピエール (Saint Pierre)、
もしくは
ジョン・ドリー (John Dory)。
へぇー、人の名前がついてるんだ。
ジョンドリー、日本語では
マトウダイ というらしい。
そのとき、店のご主人らしき貫禄のある男性がこちらにやってきた。
えっ、ご主人自ら捌いてくれるの!?
何だか恐縮しちゃうなぁ…。さすがご主人、見事な手さばきだ。
一瞬で食べやすい状態に捌かれたジョン・ドリー。レモンをギュッと回しかける。
心して、いただきます。
「…!!」
おぉ、うまい!!
ジョン・ドリー、旨い。
プリッと弾力のある食感。
引き締まった身を噛み締めると、
新鮮かつ上品な旨味が滲み出てくる。
ここへ白ワインをクイッと口に含めば…旨すぎて、幸せの
絶頂に至る。
あのイカツいビジュアルとは裏腹に、とても洗練された味だ。
今までに食べたことがある魚でいうと、カワハギに近いかもしれない。
ローズマリー入りのオリーブ油。
これを魚に垂らして食べたら、コクが増して一層旨くなった!
付け合わせの
ジャガイモ&ほうれん草。
自然の甘味がいい。これにもオリーブ油をかけるとなお良し。
パンナコッタ。
フルーツたっぷり、甘さ控えめでクリーミーなパンナコッタ。デザートも旨い。
ドブロブニク最後の夜。新鮮な旨い魚を存分に味わえて本当に幸せだ。
これでもう思い残すことはない。
ジョン・ドリーの味の余韻に浸りながら、路線バスで宿に帰る。