#リヒテンシュタイン初上陸3(鹿肉と赤ワイン) |
11月27日(土)、リヒテンシュタイン。
日が暮れると一気に冷えてきた。
ダウンジャケットを取りにホテルへ戻り、再びファドゥーツ中心部へ。
夜空に浮かぶファドゥーツ城が美しい。
晩飯まではまだ時間がある。
とりあえず、ここのバーでサッカー中継を見ながらビールでも飲もう。
エーデルスペッツ。
スイスブランドの生ビール。フレッシュで旨い!
ドイツのピルスよりは若干薄いが、言葉を変えればライトで飲みやすい。
テレビのサッカー中継は最初スイスリーグだったが、他の客の
リクエストで途中からブンデスリーガのチャンネルに切り替わった。
ドルトムント×メンヒェングラートバッハ。
まさかリヒテンシュタインで香川の試合を見れるとは。
画面の向こうの香川を心の中で応援しながらビールを呷る。
後半、ガラ空きのゴール前で香川にボールが回ってきた。
「…!!」
落ち着いてGKをかわして無人のゴールにボールを流し込む。
これで2-1、香川が貴重な勝ち越し点。今夜はビールが旨い!
(最終的にはドルトムントが4-1の圧勝。)
バーのお姉さんは割と若そうな見た目だったが(推定25前後)、
彼女の子供と思しき男の子がバーカウンターの中に入ってきた。
ぼくおてつだいするの?えらいね〜。
と思ったら…
こらっ!(笑)
今回の旅のベストショット。
この子の将来が楽しみだ。きっと大酒飲みになるだろう。
―このバーは隣のレストランと繋がっている。
ここは「レジデンス」というホテル&レストラン&バーだった。
せっかくなので、晩飯は隣のレストランで食べることにする。
なかなか小洒落た雰囲気。
昼に食べた鹿の煮込みが旨かったせいで、僕の中では
リヒテンシュタイン=鹿というイメージが定着してしまった。
夜も鹿で行こう。
鹿肉のステーキとリヒテンシュタインワインを注文する。
リヒテンシュタイン・ピノノワール!
小国リヒテンシュタインで醸される貴重な赤ワイン。心して頂こう。
「…!!」
旨い!
フルーティー。
芳醇な味わい。仄かな自然の甘みと酸味のバランスが絶妙。
こういうフルーティーでタンニン少なめのタイプは僕個人の好みと完全に合致する。
メインが来る前に大方空けちゃうんじゃないか?そんな心配をしてしまうほど旨い。
前菜。
鶏肉香草巻きのミニフライとブロッコリーのクリームスープ。
赤ワインと交互にチビチビ味わう。
鹿ステーキ!
分厚いというより塊の鹿肉。表面の焼き色が食欲をそそる。
やや緊張しながらナイフで切り分け、口の中へ。
「…!!」
うめぇ!
柔らかい肉を噛み締めると、鹿特有の野性味溢れる香りと濃厚な旨味がギュッと滲み出てくる。
さすがステーキで食べるだけあって上等な鹿を使っているんだろう。昼間の鹿よりも雑味がない。
鹿肉の旨味を味わったところへ赤ワインをゴクリ…。
あまりの旨さに一瞬目眩がした。
ワイルドな鹿肉と芳醇な赤ワインがお互いを引き立てあい、
口の中で最高の美味が形成される。
我を忘れて鹿肉と赤ワインの往復を繰り返す。
―鹿肉を平らげると同時に赤ワインも空いた。
せっかくだから白ワインも飲んでみよう。
皿の上には付け合わせのマッシュポテトとマッシュルームが7割ほど残っている。
シャルドネ!
これもフルーティーで旨いなぁ。
付け合わせもそれぞれ上品な味わいで、白ワインとよく合う。
―いやー、実に旨かった。
大満足で会計。
気になる値段は…
107スイスフラン!?
(107スイスフラン=約9,000円。)
鹿ステーキ41.5フラン、赤ワイン(ボトル)52フラン、白ワイン(グラス)13.5フラン。
鹿はメニューに書いてあったので想定内だが、値段を聞かずに注文した
ワインが予想以上に高かった。スイスフランとはいえ「100超え」は少々ツラい。
まぁ、でも納得。あの旨さを考えれば妥当な値段だ。
宿代はケチっても、メシと酒には幾らでも出すのが僕の旅の基本方針である。
今回も最高のディナーで最高の夜を満喫することができた。
#リヒテンシュタイン初上陸2(鹿肉と名城) |
11月27日(土)、リヒテンシュタインの首都ファドゥーツ。
時間は午後1時。そろそろ昼飯を食べよう。
メインストリートのレストランに入り、メニューを一瞥する。
野生動物料理っぽいページを発見。よし、これで行こう。
何の肉かわからぬまま、一番上の料理を注文する。
リヒテンシュタイナー・ブロイハウス! (瓶ビール)
リヒテンシュタインのビール初体験。
ホップの香りが爽やかでなかなかいける。
謎の肉。
ビーフシチューのような煮込み料理だ。
「…!!」
うめぇ!
店員に尋ねてもよくわからなかったが、恐らく鹿だろう。
柔らかく煮込まれた肉を噛み締めると、野性味溢れる獣臭と
濃厚な旨味が口に広がる。ワイルドな肉の香りを帯びた
ソースもコクがあって旨い。こういうクセのある肉は大好きだ。
ここで食べた肉はやはり鹿だったことがその日のうちに判明。
かなりボリュームがあり、心行くまで満喫することができた。
リヒテンシュタインのナンバープレート。カッコいい!
FL=リヒテンシュタイン公国の略称。Fürstentum Liechtenstein.
ナンバーは数字の5桁のみだが、人口3万4千人の同国なら十分足りそうだ。
腹が満たされたところで、リヒテンシュタインを代表する名城
「ファドゥーツ城」へ。うねうねと曲がりくねった山道を歩いて上る。
来た!
坂を上って城内見学へ。ところが…
進入禁止。
ファドゥーツ城にはリヒテンシュタイン家が実際に住んでいるので中には入れない。
「…!?」
中から車が出てきた。もしかして、リヒテンシュタイン家!?
車が十分に離れたところで写真を撮る。
素晴らしい。
こんな城に住んでる公爵が現世にいるなんて。高貴な気分に浸りながら元来た山道を戻る。
※車のランク(アウディ)からしたら絶対公爵一族じゃない。使用人レベルだな。
途中の山道からはアルプスに囲まれたリヒテンシュタインの美しい風景が一望できる。
入場無料の郵便博物館。
昔のポストや切手などが展示されている。リヒテンシュタインは綺麗な切手で有名らしい。
ノートに一筆。
日本人が見ても何のことかさっぱりわからんだろうな。
リヒテンシュタイン国立博物館。
昔の王冠(コピー?)、紋章、コインなど、君主制国家リヒテンシュタインの
栄華を偲ばせる充実のコレクション。小規模ながらなかなか見応えがあった。
昼食後わずか3時間ほどでファドゥーツの見どころを一通り制覇してしまった。
夕方は土産屋でゆっくり買い物を楽しむ。