#ベネルクスな酒盛り |
先述の通り、年明け(1月5日~9日)にベネルクス三国を訪問してきた。
(ベルギー) http://morgenbaden.jugem.jp/?cid=13
(オランダ) http://morgenbaden.jugem.jp/?cid=14
(ルクセンブルク) http://morgenbaden.jugem.jp/?cid=15
ドイツ帰国後、旅の余韻に浸りながら、現地で手に入れた酒と食料を楽しむことにする。
それぞれの国でそれぞれ「いい役者」を買い揃えたわけだが、どうせなら
ベ・ネ・ルクス三国全ての土産を同時に味わうのがオツではなかろうか。
すなわち、ベネルクスな酒盛り。
ベルギー代表・シメイビール。
オランダからルクセンブルクへ向かう途中、ベルギーのガソリンスタンドで
ボトル3本&専用グラスのセットを発見。車のトランクが既に満杯だったため
当初買う予定はなかったが、このステキなセットに惹かれて購入を決意した。
オランダ代表・ヤギチーズ。
ヘンリ・ウィリッフというブランドの2年熟成ヤギチーズ。
何年か前の世界コンテストで優勝したチーズらしい。
だって「2年熟成」の「世界チャンピオン」だぜ?否応にも期待が高まる。
(ヘンリ・ウィリッフURL) http://www.henriwillig.com/
ルクセンブルク代表・モーゼルワイン。(リースリング)
ルクセンブルクは上質なモーゼルワインの産地。
帰り際、日曜も(午後から?)やってる素敵なワインショップで購入した。
もちろん味わう順番もベ→ネ→ルクスで。
―まずは、シメイ。
「…!!」
うめぇ!
芳醇な香りと濃厚な味わい。冷蔵庫に入れると冷えすぎるため
敢えてキッチンの棚から出してそのまま飲んだのだが、これが
シメイ特有の風味をフルに味わえるちょうどいい温度になっていた。
―直後に、ヤギチーズ。
「…!!」
衝撃的。旨すぎる。
ハードタイプのチーズを噛み締めると、時折「シャリッ」という結晶のような
食感があり、その結晶から熟成された旨味成分が凄い勢いで口中に広がる。
そこへヤギ乳特有の牧歌的な香りがフワッと香り、得も言われぬ美味。
こんなに旨いチーズは食べたことがない。
まさしく世界チャンピオンの名に相応しいチーズと言えるだろう。
※ヤギ系の香りが苦手な人はダメかもしれないが、僕は大好きなので心から美味しいと感じた。
チーズの旨味で満たされた口の中へ再びシメイ。
…もうね、たまらん。
シメイの香り、苦味、僅かな酸味にヤギチーズの旨味が出会うと、凄いことになる。
今まで体験したことがないような美味の世界。あまりに旨すぎて、脳が軽く痺れる。
―落ち着きを取り戻したところで、モーゼルワイン。
「…!!」
これも旨いなぁ。うっとりするほどフルーティーな香り。
アルザスやバーデンの白ワインよりもやや酸味が強く、落ち着いた印象。
チーズとの相性も悪くないが、シメイ+チーズほどの爆発力はなく、
どちらかというとワイン単品での旨さが光る。
シメイ1本+ヤギチーズ+モーゼルワイン2杯(+ドイツビール少々)
というペースでチビチビと「ベネルクス飲み」を楽しんでいたが、
3回目にしてモーゼルワインが空になった。
BOFFERDING。
ルクセンブルクのビール。現地で飲んだDiekirchはスイスビールのように
ライトな味わいだったが、このBOFFERDINGはドイツのピルスに近いしっかりとした味。
―これでルクセンブルク勢は全て飲み干してしまった。
シメイも全部飲んだので、残るはベルギーとオランダの食べ物のみ。
次回以降はベネルクスから「ルクス」が消えて「ベネ」飲み、いや厳密には
酒がないのでドイツの酒を加えて「ベネド」飲みになるのか…下らない悩みだ(笑)。
―最後に、オランダで発見したインスタント麺を紹介したい。
Saiminヌードル。
Saiminって…催眠ヌードル?
経世済民の済民(ざいみん)っていうのは考えすぎだし、
やはり催眠なんだろうか。食べたら眠くなっちゃったりして(笑)。
しかも日本製(神戸)。こんなどう見てもインチキなアジア麺が日本で作られてるとは…。
Saiminヌードル、実食。
「…!!」
おぉ、意外と旨いじゃないか。
パッケージ通りカニの味がするかというと微妙だが、和風ラーメンやうどんを
連想させる魚介ダシがいい味出してる。麺は少々粉臭いか…まぁこんなもんだろう。
いずれにしても、いい意味で期待を裏切られた。
さっき食べたばかりだが、今のところ催眠効果は表れていない。
#ルクセンブルク初上陸 |
1月8日(土)。午後3時過ぎにアムステルダムを出発。
最終目的地は、ルクセンブルク大公国。
ガソリンは何とか持ちそうだったが、ルクセンブルクのガソリンの値段が読めないので
途中ベルギーのスタンドで給油。ドイツより1割ほど安いタバコを2カートンと
土産にシメイビールの3本セット(グラスつき!)、食品関係を売店で買い足した。
そして…
ルクセンブルク突入!
中央駅付近の有料駐車場に車を止め、ベネルクス三国全制覇を果たす。
街を歩き始めた直後の率直な第一印象は「ここも治安が悪いのか」。
アムステルダムは予想通りとして、ブリュッセルが意外と危険だったのには
驚いたが、ルクセンブルクも当初はもっと「まったり」してるところだと思っていた。
車を止めた場所が悪かったせいもある。中央駅付近の裏通りは怪しげなナイトクラブが
軒を連ね、中東系やアフリカ系の兄ちゃんたちがその辺のバーやケバブ屋でたむろしている。
しかし、こうして比較してみると、ドイツは何て治安がいい国なんだろう。
ベネルクス三国を実際に回ってみて、その有難みが身に沁みて実感できた。
ホテルのチェックインを済ませ、さっそく晩飯を食いに出かける。
たった一晩のルクセンブルク。もちろん今夜はルクセンブルク料理を堪能したい。
近くに美味しいレストランがないかホテルのおばちゃんに尋ねると、
待ってましたとばかりに自信満々な表情でこう返ってきた。
「あぁ、そこの通り沿いにあるイタリアンが美味しいわよ。」
はぁー、何もわかってねえな。
質問の仕方が悪かっただけだけど。
ルクセンブルク料理があるレストランは意外と簡単に見つかった。
リベルテ通り×パリ広場(通り)沿いの「La Fontaine」に突入。
グリル&ダイニングバーっぽい店だ。
Diekirch!(ディーキルヒ?)
ルクセンブルクビール初体験。スイスのビールを思い出すライトな味わい。
街を歩いてて最もよく見たのは「Bofferding」というブランドで、次がこのDiekirchだった。
英語のメニューを見てしばし悩んだ末、一つのルクセンブルク料理を指差す。
「これ、凄い変わった料理ですけどいいんですか?」
店員が念押ししてくるくらいだから、よっぽど変わってるんだろう。
いいよ、むしろ望むところだ。何だかワクワクしてきたぜ。
―ほどなくして、料理が出てきた。
何これ?
ダンプリングとベーコンという構成はもちろんわかってて頼んだのだが、
こんな形で出てくるとはまったく予想がつかなかった。
ちなみにこのダンプリングって、もちろん何か具入ってるよね。肉とか野菜とか。
…恐る恐るナイフを入れた直後、ただの「すいとん」であることが判明。
すいとんをベーコンと炒めただけの料理なんて旨いはずがないだろう。
食べる前から気が重くて仕方がない。もうちょっと無難な料理にすればよかった。
ところが。
「…!!」
う、うまい!
まずベーコンの旨味が半端ない。熟成した豚の旨味と脂身のコクと甘味、ややキツめの塩味。
そして、すいとんのグニュグニュした食感と淡い小麦の香り。旨味たっぷりのベーコンの油を
表面に吸い込んでいる。すいとんとベーコンの相性がこんなにいいとは思わなかった。
ここへ添え付けのアップルソースをかければ完璧。仄かに甘酸っぱいアップルソースが
ベーコンの味と絶妙にマッチし、得も言われぬ美味が完成する。
すいとんベーコンとビールの往復を夢中になって繰り返す。
―半分くらい食べたところで腹ごなしに一休憩入れると、店員が声を掛けてきた。
「もうおしまいですか…?」
いや、美味しいからまだ食べるよ。それよりもっと自信持っていいと思うぜ。
ビール3杯飲んで料理も完食。大満足で店を出る。
思わぬところで思わぬ美味に出会えるのが旅の最大の醍醐味である。
ナイトクラブの看板が妖しく光る、寂れた繁華街。
興味本位でちらっと覗いてみたが、ビールだけ飲んですぐ出てきた。
―1月9日(日)。
途中一時帰国を挟み、昨年のクリスマスイブから続いた旅行もこれが最終日。
最後の思い出作りに、ルクセンブルクの中心部へ向かう。
ルクセンブルクは切り立った渓谷に栄える美しい街。
そっくりというほど似てるわけではないが、スイスのベルンを思い出した。
(http://morgenbaden.jugem.jp/?eid=42)
大公宮。
ここに本当にルクセンブルク大公が住んでるんだろうか。
そう疑いたくなるほど市街のど真ん中にある。
国立歴史・美術博物館を見た後、中心部のダルム広場で昼飯を食べる。
シュークルート!
元はフランスのアルザス地方の料理、さらにその元はドイツのザワークラウト。
ルクセンブルク料理とは言えないかもしれないが、何だか無性に食べたくなった。
ウェイターが目の前でフライパンから直に皿に盛ってくれる。
シュークルートなんて高級料理でも何でもないが、ちょっと高貴な気分だ。
塩漬けの豚肉とザワークラウトを合わせて口の中へ。
「…!!」
あぁ、懐かしいドイツの味だ。なぜか妙にほっとする。
ザワークラウトの酸味はドイツに比べると若干優しい印象。
塩漬け肉やソーセージなどの旨味を吸い込んで非常に旨い。
午後には車で帰宅するので酒は飲めなかったが、
ビールか白ワインと一緒に味わったら最高だったに違いない。
ボックの砲台付近からの眺め。
ボックの砲台は閉まってて先に進めなかった。
ルクセンブルクは「風の谷のナウシカ」のモデルになったらしい。
この日は日曜だったが、土産屋やワインショップなど一部の店は
営業しており、お土産ショッピングも十分に楽しむことができた。
―そろそろ出るか。
ノートルダム寺院。
(周囲は入り組んでてなかなかいい写真が撮れない。)
午後4時にルクセンブルクを出発、車で約4時間の帰路に着く。
途中フランスを通るルートである。
冒頭にベルギーで給油してタバコを買ったことを述べたが、結果的には失敗だった。
ルクセンブルクはドイツなど近隣の国と比べるとガソリンとタバコが非常に安い。
ドイツやベルギーでリッター1.4後半~1.5ユーロなのが、ルクセンブルクでは
何と1.22ユーロと日本並みに安い。※欧州にいると日本のガソリンが安く感じる。
ルクセンブルク << スイス <<< ドイツ ≒ ベルギー <<< オランダ
僕が今までに給油した国のガソリンの価格を比較すると、だいたいこんな感じだろう。
タバコについても、ドイツで1箱4.3ユーロ、ベルギーで3.9ユーロのポールモールが
ルクセンブルクでは何と3.2ユーロで売っている。(しかもドイツとベルギーは1箱19本だが
ルクセンブルクは20本。)フランス国境沿いのガソリンスタンドの売店では、カートン単位で
タバコを買い求める客で長い行列ができていた。
フランスではメッスを通り過ぎたあたりから激しい眠気に襲われ、
サービスエリアで30分ほど仮眠を取った。お陰で頭すっきり、無事帰宅することに成功した。
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昨年のクリスマスイブから一時帰国を挟んで4泊5日×2回の欧州旅行。
1日400-500kmは平気で走る強行日程ながら、
無事に帰ってこれたのは幸運以外の何物でもない。
ドイツはクリスマス以外で1週間以上の大型連休がない代わりに、
年の前半(1月~6月)にはかなりの頻度で3連休や4連休がある。
この連休をフルに活用し、ドイツ国内ではベルリン、国外ではイギリスや
スペインなど、今年の前半は比較的メジャーなところを中心に回りたい。