#マウルタッシェンとヴルストサラダ |
8月31日(水)。
ドイツに来てから既に1年と1ヶ月が過ぎたが、
南ドイツの郷土料理・マウルタッシェンをまだ紹介していなかった。
こんなことでは「南ドイツ在住のローカルフード研究家」の名が廃る。
というわけで、今夜近所のレストランへ食べに行ってきた。
ここは過去に何度も行っている店で、中でも木こりのステーキ(→参考)が最高に旨い。
ヘッフェヴァイツェン。
ブレウンリンガー・ヴァイサーレオという、近所でもこの店以外では
見かけないブランドだが、生き生きとした酵母の香りが旨い。
(同ブランドのピルスはなぜかあまり旨くない。)
屋根つきのテラス席。
秋の到来を予感させる涼しげな風が心地いい。
マウルタッシェン!
一言でいうと南ドイツ版餃子(もしくはラビオリ)的な料理。
田舎料理らしい素朴なビジュアルだ。
マウルタッシェンは別の場所で一度食べたことがあるが、ここのは見た目がちょっと違う。
ナイフを入れて、一口目。
「…!!」
うまい。
豚挽き肉の旨味、ホウレンソウの青々とした香り、生地の素朴な風味…実に家庭的な味だ。
そしてベースのコンソメスープが抜群に旨い。マギーみたいな
固形スープではなく、まるで一からダシを取ったような滋味深い味わいだ。
ビールが進むという種類の味ではないが、心温まる南ドイツの名物料理である。
シュヴァイツァー・ヴルストサラダ。
チーズ入りのソーセージサラダ。
久しぶりだなぁ…。ヴルストサラダは僕の好きなドイツ料理の一つである。
「…!!」
うめぇ!
滑らかな食感のソーセージの淡い旨味、チーズの淡い酸味とコク、
タマネギの爽やかな香りと微かな辛味。ビールのピッチが一気に上がる。
ヴルストサラダは不思議な食べ物だ。
ソーセージもチーズも単品では大したことない。安ホテルの味気ない朝食レベルである。
("コンチネンタルブレックファスト"とかいう格好つけた言い回しは止めてほしい。)
しかし、細長くスライスされ、絶妙な酸味加減のドレッシングで和えられると最高に旨くなる。
油っこくなく適度なボリュームで、ビールがメインのときのつまみには最適ではないだろうか。
自称「南ドイツ在住のローカルフード研究家」。
今夜は久しぶりに初心に帰った気がする。
#SCフライブルク×VfLヴォルフスブルク(11/08/27) |
8月27日(土)、フライブルク・イム・ブライスガウ。
ブンデスリーガ第4節、SCフライブルク×VfLヴォルフスブルク。
僕にとって11-12シーズンの「ホーム開幕戦」。
今季から登場したマスコット「Füchsle」は何かリアルすぎて可愛くない(笑)。
もうちょっとデフォルメした方がいいんじゃないか。
ヴォルフスブルクは昨シーズン英ウェストハムにいた元ドイツ代表MF
トーマス・ヒツルスペルガーをFAで獲得。前節のメンヒェングラートバッハ戦では
長谷部誠が今季初ゴールを挙げたが、守備が崩れて1-4で大敗した。
一方のフライブルクも開幕3試合で9失点/前節のブレーメン戦(→参考)では5失点と
絶賛守備崩壊中。ベストメンバーでさえ決して強固な守備陣とは言えない上、
主力のハイコ・ブッチャーとメンズール・ムイジャの負傷離脱で一層苦しい状況に陥っている。
Badnerlied。やっぱりホームは落ち着く。
―フライブルクの先発オーダーは以下の通り。
バウマン
ニク - バート - クルマシュ - バスティアンス
フルム - シュスター
ライジンガー - マキアディ - イェンドリシェック
シセ
前節の4-1-3-2から4-2-3-1に変更。
そして主に右の前線で出ていたMFマクシミリアン・ニクを右SBで起用。
なるほど、その手があったか。ニクは前線では全然活躍できなかったが
(先発発表に対する客の反応も微妙だった)、右SBでの奮起に期待したい。
最近移籍リストに名を連ねた矢野貴章は今日も貫禄のベンチ外。
ヴォルフスブルクの長谷部誠は右SBで先発出場している。
15:30、キックオフ。
先にペースを掴んだのはフライブルク。
絶対的エースのパピス・デンバ・シセはこれまで最後に決める選手という印象が
強かったが、今日は自分で打つだけでなくゴール前に効果的なパスもよく出している。
しかし、前半20分過ぎにはヴォルフスブルクに決定的チャンスを許す。
相手の拙攻にも助けられ(?)何とか凌げたが、守備の脆さが改めて浮き彫りとなった。
前半3x分、敵陣右サイドのセンターライン側でフライブルクのフリーキック。
ゴール前の密集地帯に向かってシュスターが高いクロスを上げる。
「…!!」
来たあぁ!!
ドンピシャのヘッドを合わせたのはCBオリバー・バート。フライブルク1点先制!
数分後の前半40分、フライブルクに再び大きなチャンス。
右サイドから真ん中のペナルティエリア内にシセが低いクロスを入れる。
「…!!」
イェンドリシェック!!
シセのクロスは真ん中のマキアディをスルー。このボールを左から
走ってきたフリーのイェンドリシェックが蹴り込んで貴重な2点目!
イェンドリシェックさん、今まで散々「使えねぇ」とか言ってすいませんでした。
フライブルク移籍後初ゴール、これで自信をつけてほしい。
長谷部誠。生で見るのはこれで3試合目。
日本で買った著書「心を整える。」は寝る前に少しずつ読んでいる。
前半はフライブルク2-0のリードで終了。
今の守備力を考えると決してセーフティーリードではないが、
今シーズン初勝利に大きく近づいたと言えるだろう。
後半が始まると長谷部が右SBからボランチに移っていた。
しかし、50分には途中交代させられてしまう。
―後半60分頃。フライブルクにまたも決定機。
「…!!」
マキアディ!!
相手DFのクリアミスで右ペナルティエリア内に高く上がったボールを
豪快なボレーシュートでゴールに叩き込み、試合を決定づける3点目。
イェンドリシェック×トレーシュ。
今季シュトゥットガルトからヴォルフスブルクに移籍したトレーシュ。
この日はドイツ代表DFの片鱗を見せぬまま終わった。
完全に流れを支配したフライブルクはその後も一方的に攻め続け、
ヴォルフスブルクに大きなチャンスを与えることなくこのまま3-0で圧勝。
待望の今シーズン初勝利!
開幕3試合で4ゴールを挙げたシセはこの日は無得点に終わったが1アシスト、
またゴールを脅かすシュートを何度も放って大きな存在感を見せつけた。
今夏の移籍がリアルに噂されて止まないシセ。この日のスタジアムは
シセ残留を願うファンの悲壮感に似た異様な雰囲気が漂っていた。
移籍の期限(8/31)まであと2日。頼むから行かないでくれ…。
課題の守備はどうか。
ヴォルフスブルクの攻撃陣が良くなかっただけかもしれないが、
この日は無失点。一人下げた効果はある程度あったのではないか。
右SBのニクも(少なくとも前線でのイマイチぶりと比べれば)悪くなかったと思う。
次節(9/10)は敵地でバイエルン戦。
現実的には勝ち点1も望み薄かもしれないが、何とかいい試合をしてほしい。
試合後のクールダウンに勤しむ長谷部。(写真中央)
気持ちを切り替え、「心を整えて」9/2の北朝鮮戦に臨んでほしい。