#カイザースラウテルンの日本庭園と寿司 |
10月23日(日)、カイザースラウテルン。
今回泊まったホテルは、ALCATRAZ HOTEL am Japanischen Garten。(→参考)
すぐそばに「Japanischen Garten」、つまり日本庭園がある。
やはりわび・さびを重んじる日本男児として、この日本庭園は是非押さえておきたい。
―え、入場料取るの? 3.5ユーロを払って中へ進む。安っちい風格溢れる門構え。
鳥居(笑)。
そういやブレーメンの海外博物館にもあった(→参考)。ドイツ人って鳥居好きなんだな。
赤塗りの橋を渡って奥へ進む。
奥の細道。
かの松尾芭蕉もこんな細道を歩きながら数々の名句を詠んだに違いない。
「…!!」
茶屋、池、紅葉…風流の極み。
そこには多くの日本人が忘れかけていた美があった。
もちろんここは予想通りベストキッドワールドだったわけだが、
比較的レベルが高い方のベストキッドワールドじゃないかと思う。
一眼レフで写真撮影に没頭する人の姿もしばしば見られた。
小さな滝。マイナスイオンが心地いいぜ。
ブッダ。ちっせーし、軽いなー(笑)。
心地よい脱力感に浸りながら、日本庭園を後にする。
市街中心部のアジア飯屋。寿司もあるじゃんか。
庭を愛で、寿司を食べる。
やはりわび・さびを重んじる日本男児としては当然の振る舞いだろう。
寿司。
「Nigiri-Tofu」って何のことかと思ったら、いなり寿司だった。
とりあえずかっぱ巻きでシャリの食感を確かめるのが食通の嗜み。
…うん。
ヤワヤワ。
マグロ。
鮮度の悪さが見て取れる色、まるで板切れのような切り方。
シャリがやたら多くて腹が膨れるし。まったく、どうしようもないインチキ寿司だな。
しかしどういうわけか、こういうインチキ寿司を無性に食べたくなるときが年に数回ある。
そもそもの期待値がインチキ寿司なので決してがっかりすることはないし、
たまにちょっと旨かったりするのが楽しい(笑)。
というわけで、すっかり和の気分に浸りながら車で帰路に着く。
土産:プファルツワイン。
カイザースラウテルンのあるプファルツ地方でも旨いワインができるらしい。
両方とも飲んだが、個人的にはフルボトルのシャルドネの方が好み。
サッカー、刑務所、日本庭園。はっきり言って何もない街だけど、
カイザースラウテルンには他とはまた違った切り口の魅力がある。
#刑務所ホテル |
10月22日(土)、カイザースラウテルン。
今回はちょっと変なホテルに泊まってみた。
ALCATRAZ HOTEL am Japanischen Garten。
ここは何と、ドイツ初の刑務所を改装して作ったホテルである。
外の高い壁や窓の鉄格子は刑務所だった当時のままというわけか。
「アルカトラズ」という名前はどうもアメリカっぽいが、そういうところの代名詞と捉えよう。
さっそく中に入ってチェックインしよう。
レセプション。
受付のおばちゃんはとても明るくていい人だ。
カード式の鍵を受け取り、エレベーターで部屋に向かう。
これから始まる獄中生活。期待と不安を胸に、鉄製の重い扉を開く。
「…!!」
独房。
掃除は行き届いてるし、小型の液晶テレビもある。なかなか快適そうじゃないか。
トイレと洗面台。
もちろん仕切りなんてものはなく、シャワーも共同だ。
ドアのハッチ。
僕はいつ起きるかわからないので頼まなかったが、
必要に応じてここから朝食を提供してもらえるらしい。
あぁ、早くここから出て自由になりてぇなぁ…。
―5分後、脱獄。外の空気は旨い。
街に出てサッカーを観戦したり、ビールを飲んだり、自由の身を大いに満喫する。
やっぱり娑婆は最高に楽しいぜ! (娑婆の様子→ サッカー 酒場)
―夜が更けてきたところで、再び収容。娑婆での自由な時間も束の間、再び独房へ。
その前に。
バー獄中。(Bar Hinter Gittern)
中では先輩の受刑者が飲みながらくだを巻いている。新入りの僕としてはちょっと緊張する。
「おい新入り、そのカメラよこせよ。」
先輩の一人が記念写真を撮ってくれた。みんないい人たちでよかった。
とりあえずビールでも飲もう。
ビットブルガー。
ドイツでは大抵その土地の地場ブランドのビールが最も多く飲まれて
いるのだが、ビットブルガーは全国で飲まれている大手ブランドの一つ。
生ならではのフレッシュな味わいで旨い。
2杯目はプファルツワインにしようか、それともアルカトラズ何とかっていうカクテルにしようか。
そんなことを考えていると、急激に眠気が襲ってきた。
そういえば今日は昼間っからずっと飲みっぱなしだったもんなぁ…。
やむなく独房に戻り、22時過ぎに消灯。刑務所の夜は早い。
―翌朝。
昨夜はぐっすり眠れた。10時間くらい寝たんじゃないか。
とりあえず朝食でジュースをガブ飲みしよう。飲んだ翌朝は異常に喉が渇く。
朝食。パンは温かいし、ゆで卵はトロトロの半熟だし、やけに充実している。
スモークサーモン(しかもしょっぱくないやつ)があるのもポイント高い。
身支度を済ませ、11時前に晴れて出所。
居心地のよい独房に名残惜しさを感じつつ、刑務所を後にする。
新たな人生の始まり。真っ青な空が目に眩しい。
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参考リンク
http://www.booking.com/hotel/de/alcatraz-am-japanischen-garten.html
値段は比較的安いし、市街中心部にも歩いてすぐ行ける。
(中央駅までは徒歩15分くらいだろうか。)
貴重な獄中生活を体験できる刑務所ホテル、自信を持ってお薦めしたい。