2月15日(土)、ミュンヘン。
地下鉄Theresienstrasse駅から徒歩数分。
麺処 匠(ミュンヘン店)。
昨年9月以来2回目。前回はビール祭りの帰りにシメのラーメンを
食べに来たのだが(→参考)、今夜はラーメン前の飲み食いを含む
「フルコース」で行きたい。餃子とか、唐揚げとか。
餃子と唐揚げ。
学生時代ときどき世話になった弁当屋の「ギョーカラ」
をふと思い出した。餃子の味は全く覚えてないが、
唐揚げのクドさは今も鮮明に記憶に焼きついている。
時刻は午後6時半過ぎ。入った瞬間は例によって満席、僕の前に
3組ほど客が順番待ちをしていたが、10分くらいですぐ座れた。
客は7割弱がドイツ人だった。
キリン一番搾り。
貴重なヤパーニッシュビア(日本のビール)。
ドイツに長く住んでて日本酒が恋しくなることはあっても
日本のビールが恋しくなることはないが、こうして久々に
飲むとヘレスやピルスとは違った良さがあることに気づく。
焼き餃子。
我が家ではときどき餃子の代わりに「ピエロギ」というポーランドの餃子を
焼いて食べるのだが、こういう日本の餃子を久しぶりに食べたかった。
「…!!」
餃子、うまい!
野菜の甘味、薄い皮の香ばしい食感…。
鶏の唐揚げ。
その旨さは前回食べた唐揚げ丼で確認済み。
こうしてビール飲みながら唐揚げ単品を食べてみたかった。
「…!!」
唐揚げ、うめぇ!
片栗粉の衣のサクサクした食感、モモ肉のジューシーな旨味、皮の脂の濃厚なコク。
学生時代よく世話になった江戸川橋の食堂
「キッチンミユキ」の唐揚げを彷彿とさせる
非常にレベルの高い、そして限りなく理想に近い唐揚げである。
餃子+唐揚げ+ビール=幸せ。
カウンター席の片隅で一人幸福感に浸る。
隣のドイツ人カップルに視線を移すと、エビフライに付いてきた
中濃ソースを餃子や唐揚げにべったり塗りつけて食べていた。
―ビール3杯と餃子と唐揚げを平らげ、「シメ」に移行する。
坦々麺。
醤油は前に食べたので、今回はどうしても坦々麺をトライしてみたかった。
青々としたネギとゴマベースのスープのコントラストが食欲をそそる。
ではでは、さっそく。
「…!!」
坦々麺、旨い!
具の中に白菜があること、その白菜が恐らく挽き肉と一緒に炒められてて
挽き肉の味付けが少々弱いことなど若干イメージと異なる点はあるものの、
ピリ辛&こってりゴマスープの旨味、そして西山製麺の中太縮れ麺の
コシと味とかん水の香り、いずれも申し分ない。
隣のドイツ人カップルがゆっくりと時間を掛けて一杯の醤油ラーメンを
分け合って食べている間、僕は一心不乱に目の前の坦々面を啜る。
いいか、日本ではこうしてズルズル音立てて食べるんだぜ。
麺を食べ終えたところで、単品ライスにスープをぶっかける。
チャーシュー丼にしようかどうか結構長い間迷ったが、やはり
チャーシュー丼ではこの「ぶっかけ」の楽しみが損なわれてしまう。
(ほら、あのちょっと甘辛いタレみたいなのがかかってるし。)
ピリ辛坦々スープを存分に吸い込んだライスの旨さを実際に
味わってみて、僕の選択に間違いがなかったことを改めて確信した。
匠は素晴らしい。
唐揚げのサクサクとピリ辛坦々スープの余韻に浸りながら、徒歩でホテルに戻る。