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2018.10.29 Monday / - / - / -
#リスボンの怪しいレストラン
3月1日(土)、リスボン。
スポルティングの試合を観戦後(→参考)ホテルの周辺に戻る。
まだ晩飯は食べていない。

何せポルトガル初訪問である。
俺はスタジアム周辺のジャンクな屋台メシなんかではなく、
イワシの塩焼きとか、干しダラのコロッケとか、そういうものを食べに
1人往復300ユーロ弱のエアチケット代を費やしてここまで来たのだ。

しかし、時刻は午後11時過ぎ。
さすがにこの時間帯になると、どのレストランも開いてないか、
或いはオーダーを受けてくれないかのいずれかである。
ポルトガルは宵っ張りのイメージがあったので少々高を括っていた。
(街の中心部に出ればもう少し違ったかもしれないが、
あいにく僕らの宿泊先は中心部から少し外れた場所にあった。)

諦めて今夜は何も食べずホテルのベッドに潜り込もうか
という提案は、空腹の限界寸前の嫁から猛反対に遭った。
まだ開いているレストランを探して、閑散とした通りを歩き続ける。


Forno Velho。
ここはまだ開いてる。

見るからに怪しい佇まいだが、背に腹は代えられない。
覚悟を決めて重い入口のガラスドアを押す。




「…!?」





胡散臭いギタリストによる生演奏。
湿っぽいエレキギターとシンセサイザーが織り成す懐メロポップス調の曲。
客が1人もいない店内を元気に駆け回る店主の息子。


どうしたって苦笑いを禁じえない。


どうやら我々は異次元の世界に迷い込んでしまったようだ。
奥のテーブルでは店主の家族がテレビを見ながら夕食を食べている。
そしてあの緑色の景色は一体何なんだ。



とりあえずビールで喉を潤す。鮮度も冷え具合も特に悪くない。


前菜。
自動的に出てくるがサービスではなく、食べた分の皿の金を取られる。
生ハムが8ユーロでチーズが3ユーロ。ハムはいかにも鮮度が悪そうな
色をしていたので、試しに白いチーズを1皿だけ食べてみることにする。


「…!!」


ケージョ・フレシュコ(Queijo Fresco)。
発酵臭や塩気といった要素はほぼゼロで、ミルクの甘味が前面に出たフレッシュチーズ。
これは旨い! 過去に経験したことのない、フレッシュでシンプルな味わいだ。
僕はもっとクセのあるヤギチーズみたいなのを想像していたので若干拍子抜け
してしまったが、このクセのなさが逆説的に強い個性を放っている。
これはポルトガルならではの味だろう。僕よりも嫁の方が気に入っていた。

そうこうしてるうちに、ようやくあの調子外れで耳障りなギタリストの生演奏が終わった。
ちょっと奥見てくるわ。


温室?
目が痛くなるような緑色の照明。中庭のテラス席みたいなもんか。
さすがにこの中に入って食事をするほどの体力は残っていない。
この店に飛び込んだこと自体が十分チャレンジングな出来事なのだ。

しばらくして、頼んだ料理が出てきた。


愛想のいい黒人ウェイターが皿に盛ってくれる。


ヤギのグリル。
ポルトガルではヤギはポピュラーな食材なのだろうか。
ウェイター曰く今出せる肉料理はヤギだけとのことだったが、
僕にとってはむしろ願ったり叶ったりである。

ではでは、さっそく。



「…!!」



ヤギ、ウメエ!
特有の力強い旨味を湛えながら嫌な臭みはなく、肉質は硬すぎず
程よい噛み応え。肉の鮮度、味、食感どれをとってもまったく申し分ない。
店内に漂う怪しく淀んだ空気からは想像もつかないほど「当たり」である。

「オイシイ?」

愛想のいいウェイターが片言の日本語で尋ねてきた。うん、オイシイ。
ウェイター曰く、この店にはときどき日本人の団体客がやってきて
彼に簡単な日本語を教えてくれるのだという。

旅行のプロとして、数あるレストランの中で敢えてこの店をチョイスする
団体ツアーの企画者のセンスには正直首を傾げざるを得ない。
※尤もセンスだけの問題ではなく、商売絡みの要素もあるとは思うが…。

一方で、期待を上回る料理とウェイターのフレンドリーな対応により
徐々に居心地がよくなっていったのもまた事実である。
音楽のセンスを含め、中高年向けのツアーならここも結構アリかもしれない。


バカリャウのグリル。
バカリャウ(Bacalhau)とはタラを塩漬けにして干したもので、
様々な料理に使われるポルトガルを代表する食材である。
ポルトガルを訪れたら必ず食べたいと思っていた。



「…!!」


バカリャウ、うめぇ!
噛み締めた瞬間、タラの濃厚なダシ、熟成した旨味が口に広がる。
もっとしょっぱいのかと思って身構えていたら意外と程よい塩加減だった。
同じく魚を食べる日本人にとっては非常に馴染み深い味だ。


ヤギの脂身。
こってりとしたコクと仄かな甘味が最高。

旅先のレストランで期待外れに終わってがっかりするケースは
ときどきあるが、今回はいい意味で期待を裏切られた。
躊躇しながらもこの店に飛び込んで結果的には正解だった。

時刻は午前0時過ぎ。ホテルに戻り、明日に備えて深い眠りに着く。
2014.03.23 Sunday / ポルトガル / comments(2) / trackbacks(0)
#スポルティング・リスボン×ブラガ(14/03/01)
3月1日(土)。
ポルトから電車で約3時間、ポルトガルの首都リスボンに到着。

はるばるポルトガルまで来てサッカーを見ずに帰る訳には行くまい。
ホテルにチェックインしてから地下鉄でスタジアムに移動する。


エスタディオ・ジョゼ・アルヴァラーデ。(Estádio José Alvalade)

プリメイラ・リーガ第21節、
スポルティング・リスボン×スポルティング・ブラガ。

スポルティング・リスボン(Sporting Clube de Portugal)は
SLベンフィカやFCポルトと並ぶポルトガル3強の一角。
あのルイス・フィーゴクリスティアーノ・ロナウドを輩出したクラブである。
近年の実績ではベンフィカやポルトに大きく水を開けられているが、
今季は前節終了時点でベンフィカに続く2位につけており、久々の名門復活、
UEFAチャンピオンズリーグ出場権獲得
に一歩ずつ近づいている。

一方のブラガはここ数年安定して欧州カップ戦に出場するなど、
ポルトガルの中でも3強に次ぐ有力クラブの一つである。
なかなかの好カード、熱い試合に期待したい。


今回は特にこだわりがなかったので「最も安いチケット」を
窓口で買い求めたら、ゴール裏の2階席(1人18ユーロ)だった。

―20時15分、キックオフ。


序盤にペースを掴んだのはホームのスポルティング。


落ち着かないブラガの守備を破り、果敢に先制ゴールを目指す。
結構ザルだな。


しかし、何度か訪れた決定機をモノにすることができず、
そうこうしてる間にブラガの守備が落ち着きを取り戻し始める。
今季13ゴール(チーム得点王)をあげているフレディ・モンテーロの
不在もあり、決定力不足は否めない。


今や主導権はブラガ。このフリーキックは凌いだが…。





「…!!」



…orz
前半37分、ブラガ先制。

・右サイドからPA内に上がったクロスにGKルイ・パトリシオが飛び出す。
・しかし、クリアボールが逆サイドにこぼれる。
・逆サイドの選手が放ったシュートはポストを叩いて中央ゴール前へ。
・慌てて戻ってきたGKの足にボールが当たってオウンゴール。


簡単に図で示すとこうなる。黒矢印がボールの動き、赤の点線がGKの動き。


ルイ・パトリシオ。
スポルティング生え抜きのポルトガル代表GK。
不運も重なったが、こうして振り返るとあの飛び出しがまずかった。

スポルティング1点のビハインドで後半突入。

地元ファンのフラストレーションが頂点に達しつつあった矢先、
見事なパスで相手守備を突破し、ペナルティエリア内でファールを獲得。


スポルティングのPK。キッカーはジェフェルソン。


「…!!」



来たあぁ! 後半70分、スポルティング同点!

さらにその直後。



「…!!」



おぉ、来たあぁ!!
後半74分、スポルティング逆転!!


決めたのは、アルジェリア代表FWイスラム・スリマニ。
中央エリア付近から一瞬の隙を突いて豪快にシュートを叩き込んだ。


最終結果2-1。
なかなか痺れる展開でスポルティングの見事な逆転勝利。
オウンゴールのルイ・パトリシオも幾度か好セーブを見せて逃げ切りに貢献した。

ポルトガルサッカー初観戦。
ドイツなどと比べて対人勝負に訴える場面が多く、一味違った面白さがあった。


スポルティンググッズ。
CL、ELともに今季の決勝トーナメントの真っ最中だが、
早くも来シーズンが楽しみになってきた。
2014.03.19 Wednesday / ポルトガル / comments(0) / trackbacks(0)
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