6月20日(金)、4連休2日目。
今回のテーマは
「ミュンヘンビール紀行」。
最初の目的地は、現存する
世界最古のビール醸造所「ヴァイエンシュテファン」。
ミュンヘン中央駅からS1に乗ってフライジンク下車。予めプリントアウトしてきた
Googleマップを片手に
(僕はスマホを持ってない)、徒歩でヴァイエンシュテファンを目指す。
分け入っても 分け入っても 青い山。(種田山頭火)
国語の教科書に載ってた有名な俳句を思い出す。
緩い勾配の丘を上りきると、すぐ目の前にビール工場が現れた。
ヴァイエンシュテファン醸造所。
正式名称:Bayerische Staatsbrauerei Weihenstephan。
麦芽の甘い香りが漂っている。
前述の通り、ヴァイエンシュテファンは現存する
世界最古のビール醸造所である。
正式な醸造所としての発足は1040年。実際には8世紀頃から
修道院の修道士たちの手によってビールが造られていたという。
ビールを愛する者にとって、ここはまさに
聖地である。
ヴァイエンシュテファン醸造所は以下の条件でガイドツアーを実施している。
・月曜から木曜まで。
・15人以上の団体で事前予約必須。
僕はそんなに暇じゃないし、そんなに友達もいないので今回一人でここに来た。
麦芽の搾りカスが湯気を立ててトラックの荷台にドサドサ積もっていく。
外からでもある程度現場の迫力が味わえる。
熊ちゃん。
醸造所併設の
ビアホール。
すぐ目の前で造られた出来立てのビールが味わえるわけか。
利き酒セット。100mlのミニグラス×3種類。
こういうのはちょこっとずついろいろ試したいときに有難い。
左から順に。
ヘレス。
バイエルン州の淡色ビール。ドイツで淡色ビールといえば大抵ピルス(ピルスナー)
だが、バイエルンではヘレスが主流。ピルスよりももっと「麦!」って感じ
(麦芽の風味が濃く、代わりにホップの香りはピルスより弱い)というのが
僕の大まかなイメージである。見た目通り鮮度抜群で旨い。
デュンケル。
黒ビール。デュンケルヴァイツェンじゃなくてデュンケルのようだ。
褐色のイメージ通り、麦芽をローストしたような香りがして甘味がある。
ヘーフェヴァイツェン。
白ビール。世界最古の醸造所ヴァイエンシュテファンが
主に造っているのはこのヘーフェヴァイツェンである。
プレッツェル。
久々に食うと旨いね。
小麦のダシというか、表面の焦げ目の香りが本当に香ばしい。
ヘーフェヴァイスビア。(=ヘーフェヴァイツェン)
3種類のお試しセットを経て「ヘーフェヴァイツェン」を
頼んだら「あぁ、"ヘーフェヴァイスビア"ね」と言われた。
さぁ、ここからが本番。
1,300年の歴史を誇る、ここヴァイエンシュテファンのビール醸造。
俺は今、現存する世界最古の醸造所のビールと対峙している。
高鳴る胸の鼓動を抑えながら、グラスを口に近づける。
「…!!」
世界最古、旨い…。
生き生きした酵母の香り。香ばしい小麦の味。
正直、他社のヘーフェヴァイツェンと比べて大きなインパクトはない。
しかし、言い換えれば奇をてらわない素朴な味わいで、
歴史の重み、先駆者の風格を感じる。一口味わう毎に深い感慨に耽る。
ヴァイスブルスト。(白ソーセージ)
白ビール、プレッツェルと来たらやはり白ソーセージだろう。
ここは定番中の定番、コテコテのバイエルンメシで行きたい。
ナイフとフォークで皮を剥き、甘い粒マスタードをつけて。
「…!!」
うまい。
超久しぶりの白ソーセージ。滑らかな食感、仔牛の繊細でフレッシュな旨味、
そしてハーブの爽やかな香り。甘〜い粒マスタードもいいアクセントになっている。
白ビールおかわり! プレッツェルしかり、ビールとの相性は最高だ。
世界最古のビール工場、ヴァイエンシュテファン醸造所のビールを制覇。
達成感と心地いい酔いに浸りながら、丘を下って醸造所を後にする。
世界最古のビール工場のビールを体験した証として、
試飲用のミニグラスを土産に買って帰った。