11月8日(土)、フライブルク・イム・ブライスガウ。
ブンデスリーガ第11節、
SCフライブルク×FCシャルケ04。
前節まではアウェー3連戦。最初のアウクスブルク戦は極めて低調な出来に
終わったが(→
参考)、続くDFBポカールの1860ミュンヘン戦で5-2と圧勝し
3回戦進出を決めると、第10節ケルン戦ではダリダのPKによる1点を辛くも
守りきり、待望の
今季リーグ戦初勝利。ようやくバイオリズムが上向きかけて
きたところで、今日はCL出場中の強豪シャルケをホームに迎え撃つ。
シャルケといえば、
海老蔵。
2012年シーズン途中からチェルシーを率いて同クラブを史上初のCL制覇に
導いた、
欧州サッカー界の市川海老蔵こと
ロベルト・ディマッテオ監督が
ついにフライブルク初登場。
海老蔵には気の毒だが、今日は我々SCフライブルクが大立ち回りを見せてやる。
フライブルクの先発は以下の通り。
ビュルキ
リーター - トレホン - ミトロビッチ - ギュンター
ダリダ - ヘフラー
シュミット - ケルク
メフメディ - フライス
ポカールとケルン戦に続き、右SBは
サーシャ・リーターが先発。
ケンプとクルマシュが離脱中のCBはトレホンとミトロビッチの新加入コンビ。
2トップの一角はポカールで1G1Aと躍動したフライスがケルン戦に続き先発。
シャルケは内田篤人が先発。元SCフライブルクのSB
デニス・アオゴはシャルケ加入以来フライブルク初登場。
Rote karte für RB。(RBライプツィヒにレッドカードを)
飲料大手レッドブルの豊富な資金力をバックに、近年急成長を遂げている
RBライプツィヒ。来季にも1部に昇格しそうな勢いのライプツィヒだが、その
あからさまに商業主義的なクラブの在り方に、ドイツ各地のサッカーファンから
非難の声が日増しに高まっている。フライブルクだけでなく、昨日今日は他の
何箇所ものスタジアムで同様のアンチRBコレオが披露されたらしい。
ライプツィヒのようなクラブが成り上がり、フライブルクのように貧乏ながらも
地域に密着したクラブが淘汰されてしまうのは少々味気ないと思う。
(レッドブルなんてライプツィヒどころかドイツに縁もゆかりもない企業のはずだ。)
一方で、あまり健全な思考ではないにせよ、この悪役
ライプツィヒと対戦して打ち負かしてみたいという心理もある。
来シーズン、金満ライプツィヒ×清貧フライブルクの対決は実現するだろうか。
…どっちも2.リーガだったりして(笑)。
前置きが長くなってしまったが、本題に戻ろう。
SCフライブルク×シャルケ04、15時半キックオフ。
シドニー・サム。
内田篤人。
序盤はシャルケのペース。
前半10分ちょい前には不安定な守備を崩され、決定的チャンスを
献上するも、
フンテラール「師匠」の決定力不足に助けられる。
その後フライブルクの守備は落ち着きを取り戻す。
カウンターからフライスが放ったシュートは
シャルケGKフェールマンに阻まれる。
マイヤーやフンテラールが果敢に攻め込むも、
集中力のある守備でチャンスの芽を潰す。
耐え忍ぶ時間が続いた後、フライブルクに大きなチャンス。
左SBクリスティアン・ギュンターが中盤でサムのボールを奪い、
一気にカウンター発動。
「…!!」
来たあぁ!!
前半22分、(まさかの)フライブルク先制!
ギュンターが奪ったボールをメフメディが前に進め、左サイドのスペースに
走りこんだフライスにパス。フライスのシュートはヘヴェデスに阻まれるも
(ちょっとハンドくさかった)、ギュンターが詰めてこぼれ球をゴールに押し込んだ。
フンテラール師匠×ステファン・ミトロビッチ。
セルビア代表CBのミトロビッチは先日のEURO予選アルバニア戦で
ピッチに落ちてきた政治的な旗を拾った選手である。そこから
大乱闘→没収試合となったわけだが、気の毒としか言いようがない。
ケンプに比べると安定感は乏しいものの、今日は頑張っている。
今日はフライブルクの守備が本当に冴えている。
積極的に寄せて中盤でことごとくボールを奪う。
クリスティアン・ギュンター。
育成出身、ドイツA代表の実績もある若干21歳の左SB。
あまり器用なタイプではない印象だが、フィジカルが強くて
スピードもあり、今後の成長にますます期待できる。
今この瞬間、オリバー・ゾルクの立ち位置が何となく
微妙になりつつあるのは嬉しい悩みなのかもしれない。
SCフライブルク、何と1点のリードで前半を折り返す。
後半、この位置からのフリーキック。
ケルクが蹴ると見せかけてフェイント、シュミットが直接狙うもゴールならず。
なかなかアイデアがあって面白い。
「…!!」
うおぉ、来たあぁぁぁ!!!!
後半68分、フライブルク追加点!
押せ押せムードのフライブルクは速攻から内田が転んで左サイドを突破。
ダリダのクロスをアオゴがクリアミス、これをシュミットがゴールに叩き込んだ。
アドミール・メフメディ。
その後も完全にフライブルクがボールを支配する。
海老蔵。
マイヤー→ボアテング、サム→小橋の交代策は空振り。
フライブルクにとっては後半の方が余計やり易かった。
ヨナタン・シュミット。
待望の今季初ゴール。完全復活に期待。
デニス・アオゴ。
フライブルクの下部組織からドイツA代表にまで上り詰めた大物アオゴ。
試合前の選手紹介でも歓声が上がるほど地元ファンから愛されていたが、
前半にペナルティエリア内で
胡散臭いダイブをして大顰蹙を買い、
以降アオゴがボールを持つ度に地元ファンから激しい罵声が飛んだ。
2失点目のクリアミスでシャルケファンからも怒りを買っただろう。
後半80分を過ぎて依然フライブルク2点のリード。
しかし、そう簡単に逃げ切れるとは思っていない。
シャルケは1点くらい一瞬で返してくるだけの個の力があるし、ヘルタ戦、
ホッフェンハイム戦と
2試合連続後半ロスタイムの失点で勝利を逃す
という経験はもう完全にトラウマになっている。
ピッチの上ではフライブルクがなおも攻勢を続けているが、
それでも2点リードでは安心して見ていられない。
村上春樹「ダンス・ダンス・ダンス」のフレーズが脳裏をよぎる。
踊り続けるんだ。
後半ロスタイムが
4分とわかった瞬間、スタンド中からブーイングが
沸き起こった。やはりみんなが僕と同じトラウマを抱えているのだ。
2点リードの後半ロスタイム。まだ勝利は確信できない。
そして…。
試合終了のホイッスル。
SCフライブルク、シャルケ撃破!
待望の今季ホーム初勝利!
そして、僕自身にとっては
今シーズン現地観戦初勝利!
これまで苦汁を味わい続けてきたのがようやく報われた。
歓喜に沸くフライブルクイレブンとサポーター。
マインツ07(笑)。アウェー観戦バスツアーのチラシ。
次のパーダーボルン07で頭がいっぱいになっちゃったか。
あのシャルケを攻守ともに圧倒、リーグ戦2連勝&降格圏脱出と
上昇気流に乗り始めたSCフライブルク。代表ウィークを挟んで次節は
岡崎慎司を擁するマインツ07…じゃなくてマインツ05とのアウェー戦に挑む。