#パルマで年越し(大晦日の夕食問題、ガラコンサート)
|
12月31日(木)、パルマ。
2015年最後の昼飯を終え(→
参考)、2015年最後の観光の続き。
パルマ大聖堂(左)と
洗礼堂(右)。
パルマは2度目だが大聖堂は初訪問…と思ったら、前回:2011年も来ていた。
当時の記事を見返すと、確かに印象が薄い(→
参考)。尖塔も改修中だったし。
質素な外観とは裏腹に、内部はなかなか凝っている。
時間の都合で洗礼堂の中には入れなかった。
今年最後の夜を前に、僕らは一つの未解決の問題を抱えていた。
夕食をどうするか。
今夜は19時から劇場でガラコンサートを聞くことになっているのだが、
コンサートが何時に終わるのか、レストランが開いてる時間に終わるのか、
そもそも大晦日の夜に開いてるレストランがあるのかという大きな疑問がある。
成り行き任せでは夕食にありつけないかもしれない。
だって大晦日だぜ?
何も食べられない、もしくは腹を満たす以外に何の取り柄もないジャンクフード
しか選択肢がなくなるなんていう状況は想像しただけでうんざりしてくる。
何か手を打たねば…。
ハム屋さん。
大晦日の午後も元気に営業している。
夕方のうちに開いてる店で生ハムなどを買い込み、
コンサートが終わったあとホテルの部屋で食べる。
時間を気にせず、確実に美味しいものが食べられるうえ、安上がりでもある。
大晦日の夕食問題はこれで解決。我ながら素晴らしいソリューションだ。
パルミジャーノ・レッジャーノの自販機。
写真中央の三角のチーズ(134)は紛れもなくパルミジャーノ・レッジャーノだ。
この手軽さ、さすがパルマである。
パルマ王立歌劇場。
イタリア語では
テアトロ・レージョ(Teatro Regio)。
ガイド本曰く、
パルマはイタリアでも最も耳の肥えたオペラファンが多いことで知られるという。
美食の都にして芸術の都パルマ。今年最後の夜、ハイレベルな歌声を堪能したい。
娯楽の殿堂。
今日はガラコンサートなので、オーケストラも舞台に上がるようだ。
美しいアーチ。歴史の重みを感じる。
コンサートの内容は、各パートのオペラ歌手が有名なオペラの
有名なアリアを歌うという、いわば「いいとこ取り」の構成だ。
―19時、開演。
※以下ではさも知ったかぶって一部の曲を紹介するが、
僕が元からそんな知識があるわけでは当然なく、
プログラムを見直して邦題をグーグルで調べながら書いている。
最初の曲は、
セビリアの理髪師「俺は町の何でも屋」。
バリトンの伸びやかな声、なかなかいい。
セビリアの理髪師からは計4曲。アルトは正直大したことないな。
ドン・ジョヴァンニを経て、
愛の妙薬「聞きなさい、田舎者たちよ」。
愛の妙薬はウィーンで実際に見たことのある思い出深いオペラで(→
参考)、
このアリアはドゥルカマーラ博士がインチキの惚れ薬を売る場面の曲だ。
「…!!」
おぉ、すげぇ!
第一声から鳥肌。圧倒的な声量。
このバスの人は凄いわ。
実際に歌い終わった後の客席からの
「ブラボー!」も半端なかった。
その後は愛の妙薬からもう一曲、ラ・ボエーム、カルメンと続く。
さっきのバスの人はやっぱり凄い。
しばらく知らない曲が続いて、
椿姫「乾杯の歌」。
最後はヨハン・シュトラウスの
「ラデツキー行進曲」。
客席もリズムに合わせて手拍子しながら楽しくフィニッシュした。
素晴らしい。
一番良かったのはバス。
愛の妙薬の人以外にもベテランのバスの歌手がいて、2人とも上手かった。
また、若くて小柄で躍動感のある指揮者が印象的で、オーケストラも躍動感があった。
満足感に浸りながら、徒歩で駅前のホテルに戻る。
コンサートが終わったのは21時半過ぎで、バーみたいな店は開いている
ところが多かった。結果的には外でも普通に食べれたかもしれない。
―そして、お楽しみの部屋飯。
モレッティ。
帰り道にアフリカ系の移民さんがやってる商店で購入。
久しぶりにこういう普通のラガービールが飲みたくなった。
冷えたビールが手に入ってよかった。
ピクルス。
ハム屋さんで購入。大ぶりの野菜がゴロゴロ。
プロシュート。
昨日の夜から3食連続。俺はプロシュートを食うためにパルマに来たのだ。
2015年最後の晩餐はプロシュート、ピクルス、パンそしてビール。
では、いただきます。
「…!!」
うまい!
プロシュートは安定の旨さ。熟成した
豚肉の旨味が口に広がる。
そして
ピクルスが予想以上に旨い。甘みの酸味の塩梅が絶妙。
僕は火の通っていないニンジンがあまり好きではないが、このピクルスは
生ニンジンのエグみが完全に消えてて美味しさだけが残っている。
ハイネケン(生)とプロセッコ。
飲み足りなかったので、ホテルのバーでもう1杯。
長椅子に腰掛けて嫁と向かい合い、
冷やし過ぎってくらいギンギンに冷えたハイネケンを呷る。
-----------------------------------------------------------
2016年1月1日(金)。
ホテルの部屋でテレビのカウントダウン番組を見ているうちに年が明けた。