#ドイツビール紀行(ロートハウス)4 |
7月9日(土)、グラーフェンハウゼンのロートハウス醸造所。
今日はここでSCフライブルク(サッカークラブ)のファンイベント
兼シュヴァルツヴァルト(黒い森)観光局のPRイベントが行われる。
ロートハウス×SCフライブルク…これは行くしかない。
シュルックゼー湖畔のゼーブルック駅から無料のシャトルバスで醸造所へ。
ロートハウス醸造所。
今日は大勢のSCフライブルクファンで賑わっている。
黒い森地方の民族衣装、赤いボンボンの帽子(ボレン帽子)をかぶった屋台。
とりあえずここでビールを1杯引っかけよう。
シュヴァルツヴァルト・マイドレ。(Schwarzwald Maidle)
今年3月頃に発売された、無濾過のピルスのようなビール。
瓶は飲んだことがあるけど生は初体験。
「…!!」
マイドレ、うまい!
ロートハウスならではのホップのいい香り。
そして濃厚でまろやかな酵母の口当たり。
できれば期間限定商品ではなく通常のラインナップに加えてほしい。
醸造所の周辺には黒い森地方の町のブースが軒を連ねている。
ハリボテの牛の乳搾りというユルいブース。
これはシュヴァルツヴァルトミルヒ主催だろうか。
左からSCフライブルク社長フリッツ・ケラー氏。
シュヴァルツヴァルト観光局のクリストファー・クルル氏。
ロートハウス醸造所社長クリスティアン・ラーシュ氏。
黒い森地方を牛耳る重鎮が一堂に!
これは豪華な顔ぶれだ。遠巻きでも大物のオーラを感じる。
―そんなVIPたちの挨拶を横目に、醸造所併設のビアホールへ。
屋外の屋台で生ビールと軽食は売ってるけど、せっかくここまで来たのだから
ヴルストなんかじゃなくてもう少しちゃんとしたものを食べたい。
ピルス。
500mlの大サイズは陶器のグラスで出てくる。
「…!!」
うん、うまい。
ロートハウスならではのホップのアロマ。
やっぱり出来立ての生は鮮度がいい。モルトの香ばしい香りがより強調される。
生ハム。
黒い森の生ハム:シュヴァルツヴァルト・シンケン(Schwarzwald Schinken)がどっさり。
メニュー表記はシンケン・フェスパー(Schinken Vesper)。
フェスパーとは朝と昼の間に食べる軽食のことを指すらしい。豪快な肉料理も
魅力的だが、ここはビールをメインにしたいので軽めのツマミ系を選択した。
「…!!」
シンケン、旨い。
シュヴァルツヴァルト・シンケンは燻製の香りが素晴らしい。
燻製香、熟成した豚の旨味、強い塩気がビールと抜群に合う。
中でも特にロートハウスとの相性は最強だ。
シュヴァルツヴァルト・マイドレ。
ここでも無濾過ビール。普通のピルスとは違う良さがある。
そろそろイベントの時間が近づいてきた。
シュヴァルツヴァルト・マイドレを飲み干し、会計を済ませて外に出る。
ピルス。
青空の下で飲むと一層香りが良く感じる。
特設ステージの前を埋め尽くす大勢のSCフライブルクファン。
一気にテンションが上がってきた。
―15時半。
SCフライブルク:2016-17シーズンの新ユニフォーム発表会。
昨季は2部で優勝、1年で1部昇格を果たしたSCフライブルク。
ユニフォームのサプライヤーもナイキからヒュンメルに変わり、一層新鮮な気分だ。
GKアレクサンダー・シュヴォロウ(#1)から背番号順に1人ずつ
新しいユニフォームを纏った選手たちがステージに出てくる。
「…!!」
これが新ユニか。
チームカラーの赤黒。やや斜めな角度と独特な終わり方のストライプ。
妙に浮いてる胸スポンサーのシュヴァルツヴァルト・ミルヒ(牛乳屋)。
新しいシーズン、新しいユニフォーム、そして新しいリーグ。
8月の開幕が今から待ち遠しい。
ショキ。(Schoki)
シュヴァルツヴァルト・ミルヒのチョコレートミルク。
濃厚な乳脂肪のコクとチョコレートの強い甘味に心安らぐ。
選手の直筆サインカードを求める長蛇の列を横目に、帰りのシャトルバス乗り場へ。
ロートハウス醸造所にはまたビールを飲みに来たい。
#レンツキルヒ |
7月9日(土)。
ロートハウス醸造所で行われるイベントに行くため、
ティティゼーからシュルックゼー行きのバスに乗り込む。
出発から数分。山間のT字路を左折した直後、バス停もないところでいきなり停車した。
どうやら車両トラブルらしい。
女性ドライバーが携帯で会社に電話したり、運転席を降りて車両を点検したりした末に
再び発車。しかし、途中のレンツキルヒ(Lenzkirch)という町で全員下ろされる。
目的地、というか次の乗り継ぎ地点のシュルックゼーまで行くには、
1時間後に来る次のバスに乗れという。
まぁ、しゃあないな。
バス停でただ1時間ぼーっと待ってるのも勿体ないので、町を歩いてみる。
町役場。
レンツキルヒは人口5千人弱の小さな町。
とりあえずビールでも飲むか。
町役場のすぐそばにあるイタリア料理店の
テラス席に腰を下ろし、小グラスのピルスを注文する。
レンツキルヒャー。(Lenzkircher)
レンツキルヒにあるブラウエライ・ロッグ(Brauerei Rogg)のビール。
こんな小さな町にも地場のビール醸造所があるのか。さっそく頂いてみよう。
「…!!」
うん、うまい。
口に含んだ瞬間、ホップの爽やかな香りが鼻を抜ける。
ロートハウスにも相通ずる上質な香りだ。
ロートハウスに比べると全体的な線は細く、軽快な味わい。
いかにも田舎の中小ブルワリー的な素朴な後味がする。
ビールのラベルにもなっている教会。
バスの車両トラブルがなければ訪れることがなかったであろう町、
味わうことがなかったであろうビール。貴重な体験ができてよかった。
レンツキルヒャーのピルス、そしてRogg Zipfelという特別なビール。
黒い森地方の中でもあまりお目にかかれないレアなビールだ。
Rogg Zipfelは無濾過系かと思いきや、よりホップのアロマが利いたピルスだった。